23:名無しNIPPER[sage saga]
2024/09/07(土) 23:12:09.22 ID:49voo3/L0
「櫻子、見ました今の?」
「……」
「……櫻子?」
櫻子が先ほどから夜空ではなくこちらをずっと見ていることに向日葵も気づく。まだ少しだけうるんでいるような気がする、まんまるの大きな目と視線が重なる。
「どうしましたの?」
櫻子はまた無意識的に、自分の中で時間を数え始めた。
花火よりも、向日葵を見ていたいと思ってしまっている、今の自分の心に向き合う。
向日葵の瞳から、目が逸らせない理由。
(いち、にー、さん……)
――ねえ、もしかして。
(しー、ごー、ろく……)
これが、好きってことなのかな。
「ちょ、ちょっと……どうしたのか聞いてますのに」
向日葵の方が先に耐えきれなくなって、頬を紅潮させながら視線を逸らした。
櫻子はそれを見て、確信した。
(ああ、私……)
――向日葵のこと、好きなんだ。
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