2:名無しNIPPER[saga]
2024/09/07(土) 12:06:59.80 ID:d5CFnAaM0
パチ
静かな文芸部室に駒の音が響く。
俺の一手が古泉の堅兵を取ったところだ。
今日は大将棋なるボードゲームにつき合わされ、下手の横好きの古泉と遊戯に興じている
「……」
真剣に考えているのか、考えているようで何も考えていないのか、いつも通り弱い。
そしていつも通り、長門は読書に勤しんでいるし、朝比奈さんは麗しくお茶を汲んでいる。
少し前の、宇宙人超能力者未来人入り交じりの大抗争とは打って変わり、部室には日常が戻っていた。
「玉露です」
「どうも、朝比奈さん」
このお茶の味も変わらない。いや、むしろ日に日に美味くなっていっている。
朝比奈さんの真面目な努力により、お茶の味と俺の味覚は比例し向上しているのが分かる。
そして古泉は無駄な長考、長門はページを捲り読書を進める。
以前と何も変わらない風景……のはずである。
だが、ここで違和感を覚えた。いつも通りの静かな団活だが、いやに、あまりにも───
静かすぎる。
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