374: ◆b0/EDFEyC136[saga]
2024/11/02(土) 23:59:38.35 ID:lcqyPAtO0
パピヨン「…………」
『…………』
手に馴染ませたオイルを全体に塗り広げていく、輝きにムラができないように全体に均一にオイルが浸透するように。櫛も使い毛も整えて……確認する。
あの日クリスマスに見たイルミネーションのように、彼女の尻尾は今……輝いていた。
『どうかなパピヨン』
パピヨン「ん〜……」
師匠は確認するように尻尾を軽く振る。ゆらゆらと横に揺らしたかと思えば、いきなり力強くブンブンと尻尾を振ってみたり。自分で尻尾を触ってみて触り心地も確認して……暫くすると。
パピヨン「……ん〜!90点上げちゃお!残りの10点も頑張って取れるように精進してね弟子〜?」
『あぁ〜……惜しいなぁ。……因みにどこがマイナス10点だったんだ?』
パピヨン「根っこのところがちょっと硬い気がする。もう少し力入れて櫛とか入れてもいいと思うよ?お兄さんの手つき、優しいけどちょっと弱いもん」
ぷぷぷ、とにやにや笑いながら尻尾でぺちぺちと叩いてくる彼女は、自分のウマ娘尻尾手入れの師匠だった。彼女を担当するようになってからの3年間で、最初は全然だった腕前も今では中々のものであると自負できるくらいには上手くなっていた。
自分がパピヨンの尻尾の手入れをするという情報は彼女の友達から漏れたりしているらしくて、たまに自分に尻尾の手入れをお願いするウマ娘が出てくることもあったが……大体はパピヨンが何処からともなく現れて、代わりにやってくれていた。
つまり、自分の腕前はパピヨンと同等か――いや、まあそこまで自惚れるわけではないが、嬉しいものだ。
パピヨン「お兄さんの腕前で他のウマ娘に手入れさせるなんで恥ずかしいからね、まだまだアタシの尻尾で練習させてあげないと〜……ね?」
……この調子じゃ自分がパピヨン以外のウマ娘に尻尾手入れをするのは当分先だな。
394Res/279.79 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20