368: ◆b0/EDFEyC136[saga]
2024/11/02(土) 17:17:36.15 ID:lcqyPAtO0
『……悪いな』
俺はまた、キミにこんな思いをさせてしまって……でも、今はこれで我慢してくれ。
そう囁いて、俺はパピヨンの顔に唇をそっと近づけて――――。
パピヨン「ひぅ……!?」
――可愛らしいその頬っぺたに唇をくっ付けた。ちゅっ、と小さなリップ音が鳴って、突然のキスに……パピヨンは理解できていないようだった。
パピヨン「へっ……?あっ、ぇ、ふぇ…………?」
口をパクパクを開いて、俺の顔を見つめて……明らかに狼狽えている。きっと、パピヨンの方からキスをするつもりだったのに、俺からキスをされて……ぽかーんと、固まってしまっている。
パピヨン「…………い、いやいや。ダメ、違う、違うって。ア、アタ、アタシは……!」
『……今はこれだけだ。キミがしたいことも、して貰いたいことも…………全部全部、卒業したらな』
パピヨン「……〜〜〜っっっ!!!」
パピヨンは俺が言ったこの言葉に、何か言おうとして……そして、ぺたりと顔を胸に埋めた。
うううぅううう〜〜〜…………!と、うめく声が、聞こえてくる。
パピヨン「バカ、バカ、バカ!お兄さんズル、ズルだよぉ……!卑怯者ぉ……!」
『……反省してるよ』
パピヨン「そんな、そんなこと、言われたら…………我慢、するしか、ないじゃん…………!」
『キミは優しいから、俺のこんなお願いも訊いてくれると思ったんだ……だってキミは……無理やり奪わないだろ?』
パピヨン「…………そっちが勝手にキスしたくせにぃ……!」
『……嫌だったか?』
……何も答えず、パピヨンは自分の胸に顔を埋めながらぎゅうっと抱きしめてくる。
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