348: ◆b0/EDFEyC136[saga]
2024/10/30(水) 01:23:32.96 ID:oP30TQ3I0
パピヨン「どうどう?今のうちにちゃんと好き〜って伝えておかないと、アタシがどっかに行っちゃう――――」
止まらないパピヨン。だと言うのなら――しっかりと伝えてあげよう。
『――――俺もキミのことが好きだよ。パピヨン』
そっと彼女の耳元で、誰にも聞こえない小さな声で囁いて。
紛れもない本心を、この特別な夜なのだから――伝えるべきだ。
パピヨン「――へぇぁ?」
その瞬間、パピヨンの顔が真っ赤に染めあがり。組んでいた腕を放して……ゆっくりよたよたと後方に下がる。
――まるで想像していなかったかのように自分を見つめ、言葉にならない声を漏らして。
パピヨン「なっ、はっ、ぇ……?ぁ、お、お兄さん、だって……それは――」
『……ああ、勿論卒業したらキミにはしっかりと想いを伝えるよ』
今の言葉よりももっと凄い言葉を、強い想いを、キミに知ってもらうから。
――――と、俺はパピヨンの綺麗な髪の毛を撫でながら、言った。
パピヨン「――――」
ぷひゅっ。とパピヨンの口から空気が漏れた音が聞こえ、ぱたんと自分の胸の中に顔を埋める。
『……覚悟しておいてくれよ。何倍も凄いからな、きっと。ちゃんと伝えてもらえるか不安みたいだから――今のうちにキミには言っておくよ』
パピヨン「ちょ、ちょっと、ちょっと待ってぇ……ムリ、ムリムリムリ……っ!」
青白いイルミネーションの光に、紅潮したパピヨンの顔が目立つ。クリスマスの寒さも気にならなくなって、自分もなんだが恥ずかしくなってきたが――顔は、背けなかった。
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