343: ◆b0/EDFEyC136[saga]
2024/10/29(火) 01:49:09.61 ID:D4BrmwKA0
パピヨン「…………〜♪」
トレセン学園から少し歩くとカップルであろう男女がちらほらと見えるようになってきた。
……傍から見るとこっちもそういう風に見えているのだろうか。と、自分の腕にぎゅううっと密着して離れないパピヨンを見る。
黒いゴスロリチックの、全体的にもこもこふわふわとしたコートを羽織り耳当てを装備した完全防寒仕様のパピヨン。その見た目がなんだか羊みたいで可愛らしい。きっと触り心地も良いのだろう。
パピヨン「ほら、お兄さん!もっともっと近づかないと寒いよ〜?」
『……歩きにくいって。ほら、手は繋いであげるからもう少し離れて』
パピヨン「え〜?んー、もうちょっとこうしてる!」
…………今日のパピヨンには何も言えないな、と自分の中でパピヨンを受け入れる。つくづくパピヨンに甘いと思うが、もうこれが平常運転になってしまっているのだからしょうがない。
『まったく、転んでも知らないからな?』
パピヨン「だって転びそうになったらお兄さんが支えてくれるでしょ?」
『……まあ、それはそうだけど』
パピヨン「じゃあ問題ないじゃーん!えへへ、お兄さん暖かいでしょ?」
……自分の腕に抱きつく力がまた強くなった。もう何を言っても離れないだろうなぁ……。
パピヨン「……❤」
じぃ〜……っと、上目づかいで見つめられている。ほんの少しだけ目を細めて、まるで自分を誘惑するみたいに、クリスマスの街並みを歩きながら――パピヨンはなにも言わずにただただ見つめて、自分の反応を楽しんでいた。
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