340: ◆b0/EDFEyC136[saga]
2024/10/28(月) 00:26:03.78 ID:6JVayfYH0
パピヨン「…………お、お兄さん?」
『ん……どうした、パピヨン』
トレーナー室に入ってきたのはパピヨンだった。なにやら緊張した様子で、自分と目線が合わない――今日はトレーニングも何も休みだから、特に何も連絡はしていないんだが――。
パピヨン「い、今大丈夫!?ちょ、ちょっと、おっ……お願い、があるん、だけど……」
『キミのお願いなら大丈夫さ、どうしたんだ?』
……耳がピコピコとせわしなく動いている。顔が赤く「えっと、あの……そのぉ……」と、中々お願い事が出てこない。こういう時のパピヨンは――――あっ。
そうか、さっき思い出したばかりだった――今日は、クリスマスで…………。
パピヨン「…………で、デート!……したいんだけど。今日、クリスマスだから……お、お兄さんが忙しくなかったら――ひゃっ!?」
『悪いパピヨン!そうだ、そうだよな……きっと、こういうのは自分から言うべきだった』
当然パピヨンと自分はそういう仲じゃない、それはあの夏祭りの日に宣言したしパピヨンも分かっている……はずだ。
けど、だからといって……そんな仲の女の子に、こんな思いをさせるわけにはいかないだろう。
彼女の手を握って、言う。
『――デートしようパピヨン。当日になってからで申し訳ないけど……もしキミが自分と過ごしてくれるなら』
パピヨン「…………っ!ぷっ……ぷはは!なにそれ、お兄さんさぁ……えへ。こんな日にお兄さんと一緒に過ごしてくれる女の子とか……アタシ以外にいないんだからね?」
感謝してよね、お兄さん?と、彼女は満面の笑みでそう言った。嬉しそうに尻尾がブンブンと揺れていて……思わず、こっちも笑ってしまった。
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