300: ◆b0/EDFEyC136[saga]
2024/10/14(月) 20:29:09.87 ID:Nw/DCeu30
ライム「――――今だ、ここ……!」
最終コーナーを回り最終直線に入ろうとしたタイミングで一気にスパートをかける――!脚に力を入れ、地面を蹴り飛ばし前に突き進む――タイムは!
ライトレ「よし、タイムに狂いはないぞライム。いったん休憩の後もう一度だ!」
ライム「っはい!」
駆け足でトレーナーさんの元に向かい、ボトルとタオルを受け取る。11月のもう冬に足を踏み入れたこの時期に、むわむわと汗が乾き、私の体から蒸気が昇る。
――チャンピオンズカップのための練習。逃げるウマ娘とのレースでも自分のペースを忘れないため体内時計をしっかり整える練習。
そして最後、絶対に相手を差せるタイミングでスパートをかける――逃げを許さない、先頭の景色なんて見させない。
ライトレ「……ライム、調子の方は大丈夫か?脚に違和感とかはないか?」
ライム「はい!トレーナーさん、大丈夫です!特に違和感はなく、問題なくトレーニングできてます!」
ライトレ「なら良かった……ライムの年内最後となるG1レースだからな、トレーナーとしては怪我無く安全に走ってほしいんだ」
――優しそうな笑みを浮かべながら、私にそう語るトレーナーさん。
ライトレ「……それにライムにとっては、シルヴァーパピヨン……彼女との対決になるわけだしな」
ライム「はい、パピヨンさんに対してのリベンジで――この3年間の区切りとして、私は――世界に羽ばたくあの蝶を、捕まえなければいけないんです」
――きっと、パピヨンさんもおんなじことを考えているはずです。なんて自分で言うけれど、なんだか恥ずかしい。
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