219: ◆b0/EDFEyC136[saga]
2024/10/04(金) 22:36:21.53 ID:XYKyijZC0
パピヨン「あ、お兄さん射的射的!射的やりたい!」
パピヨンが指をさす方を見ると、そこにはお菓子が景品となって台に並べられた射的。なるほど、確かに夏祭りといえばの代表格だ。
『分かったよ、ほらお金あげるからやってきな』
パピヨン「ありがとーお兄さん!ねえおじさん!射的一回!」
渡した百円玉をパピヨンが受け取り、それが射的屋の店主に払われる。店主から渡された射的銃を見て、きらきらと目を輝かせながら尻尾を振る。
……やっぱりこういうところは年相応なんだよな。
パピヨン「よぉし、じゃあ何狙っちゃおうかな〜。んー……よし、決めた」
しっかりと両手で銃を構え、コルクが入った銃口をお菓子に向ける。狙いが何かわからないが、パピヨンの瞳にはそのターゲットだけが映っている。
『…………』
――まるでレース前のような真剣な表情。そして、ぱぁんと音が鳴ってコルクが跳んでいき――。
パピヨン「あー!外れた!ちょっとおじさん!コルクも一個頂戴!え、ダメ?う〜……お兄さん!もっかい!」
『……あ、ああ。分かった分かった、もう一回だけな』
真剣な表情から一転、悔しそうな表情へ。コロコロと変わる表情を見てしまってパピヨンへの反応が遅れる。
自分でもスムーズすぎるくらいに百円玉をもう一つ渡し、パピヨンがまたチャレンジする。
パピヨン「ん、ありがと!よ〜し、集中集中……」
また表情が変わる。普段からパピヨンの真剣な表情は見ているつもりだが、こうやって改めて見ていると……やはりそのギャップに驚いてしまう。
少女の顔から、競争者への顔へ。パピヨンの静かな呼吸音が、こんなにも大きく聞こえてくる。
パピヨン「――――っ!」
ぱぁん。と、コルクが跳んで……そして、それにぶつかったお菓子の箱が棚から落ちる。
パピヨン「わっ……!やった!やったお兄さん見た見た!?すっごい綺麗に落ちてったよ!?アタシ射的の才能あるかも!」
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