212: ◆b0/EDFEyC136[saga]
2024/10/01(火) 22:14:02.95 ID:nqvApMSj0
パピヨン「…………ねえ、これは?」
人から隠れるように木の裏に隠れ、パピヨンに先ほど購入したそれを渡す。
『ほら、お面だよ。これでちょっと今日はお忍びといこう』
可愛らしいくデフォルメされた狐のお面。それをパピヨンにつけてもらって、少しでも顔を隠そうという魂胆だ。
……まあ、それでもバレるときはバレそうだが……なにもしないよりかはマシだろう。
パピヨン「……お兄さんありがと。でもさ、別にアタシは気にしてないよ?ほら、アタシファンサとかも全然できるようになったし――」
『キミにとってデートなんだろう?今日は』
パピヨン「えっ」
デートだというなら、二人きりで楽しむべきだろう。キミと自分だけで楽しむべきで……そのつもりでパピヨンも夏祭りに来たはずだ。
『だったら他の人には邪魔されない方が良いと思ったんだが……ダメだったか?』
パピヨン「――――」
……まずい、固まってしまった。もしかして気持ち悪いことをしてしまったか……どれもこれも勝手にパピヨンの気持ちを考えてみたいな風に言って、自分勝手だったか――。
パピヨン「ぷぷ……♪うわ、うわ〜……!お兄さんそれ……凄いね?」
『パピヨン?』
パピヨン「うん、アタシもおんなじ気持ち!じゃ、早く行こ!」
今度はパピヨンに手を引かれ、夏祭りに戻っていく。
狐のお面に隠れた彼女の顔が、なんだかとっても嬉しそうに、輝いていた。
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