211: ◆b0/EDFEyC136[saga]
2024/10/01(火) 22:13:11.17 ID:nqvApMSj0
パピヨン「ちょっとお兄さん!早く早く!」
『こらこら走るな走るな』
――ウイニングライブが終わってからすぐにパピヨンと一緒に夏祭りが行われる場所へと向かう。
全く、本来ならレース直後は休ませるべきなんだろうが――パピヨンのあんな顔を見てしまったら、行くしかないだろう。もともと行くつもりではあったが……せめて次の日とかの予定だった。
尻尾がフリフリと揺れる、年相応の声を響かせ嬉しそうに駆けていく少女。目を輝かせ、普段の悪態をついた言動なんて忘れてしまうくらい純粋な担当ウマ娘。
『……もうそんなに喜んでくれたのなら、こっちとしても嬉しいよ』
パピヨン「お兄さんだって!こんなかわいいアタシとデートとか〜、一生分の幸せでしょ〜?」
いつもの煽り……のようであるが、全然こちらをバカにしたような意図を感じない。
……本当に嬉しいんだな、今日夏祭りに来れたことが。
「お、おいあれ。もしかしてエルムステークスの……」
「あ!ほんとだ、えっサインとか――」
『むっ……』
――――ざわざわと周りの人が騒ぎ始める。そりゃ、今日重賞を連覇したばかりのウマ娘、海外G1を制したこともあって話題性としても抜群。そんな彼女が何の対策もしないでこんな場所に居たら、こうもなる。
パピヨン「あ、どうも〜。もしかしてアタシの――きゃっ!?あ、ちょっと、お兄さん……!?」
どうしたものかと一瞬考えて――パピヨンの手を力強く握りしめ、その場から逃げるように人ごみの中に入っていった。
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