【安価コンマ】オリウマ娘と共に Part2
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19: ◆b0/EDFEyC136[saga]
2024/08/12(月) 19:07:31.56 ID:92/7nx8r0
『……』

様々な人やウマ娘に見送られながら、【貴方】とパピヨンはドバイへと旅立った。長い長いフライトの間、【貴方】はドバイでのレースに思いを馳せたが、中々思考がまとまらない。

……【貴方】は飛行機に乗るのがこれが初めてだった。学生時代の修学旅行などはすべて新幹線で行ける範囲内で、友人との旅行なんてのもするタイプではなかった。

パピヨン『うわっ!すごっ!お兄さんお兄さん!空飛んでる空飛んでる!うひゃ〜……うわ、うわ〜!』

そういえば、この前パピヨンも飛行機に乗るのは初めてだと言っていた。窓際の席から外の景色を眺め、きゃほきゃほと喜んでいた姿は、確かに初めて飛行機に乗る人の姿だった。

……まあ、そんな自分もちょっと外の景色を写真で撮ってしまったのだが。と、【貴方】はなんだか恥ずかしくなる。

パピヨン「すぅ……すぅ……んむっ、ぅ……」

『……すぐ寝たな』

あんなにはしゃいでいた彼女も、今はすっかりおとなしくなってぐっすり眠っていた。これまで一緒に過ごしてきて、あんなに成長した彼女もやはりまだまだ子供なのだと、【貴方】はクスリと笑う。

――何もパピヨンは一人じゃない。【貴方】もいるし、それにドバイの他のレースに日本から出走する別のウマ娘もいる。

実力なんて疑う必要はない、気持ちも負けやしない。全部全部必要以上なんだから、あと足りないのは――。

『……自分も寝るか』

ちらりと、隣の席でスヤスヤ眠っているパピヨンを見る。

……軽く、髪の毛を撫でる。尻尾と同様にとても丁寧に手入れされていて、少し触るだけでなんだか気持ちがいい。それに何時だったかお気に入りだと言っていた、甘い匂いがふわりと鼻をくすぐった。

『…………頑張ろうな、パピヨン』

そう言って、【貴方】は目を瞑った。

――。

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