184: ◆b0/EDFEyC136[saga]
2024/09/23(月) 23:18:21.13 ID:vFuKj4tL0
パピヨン「…………じゃあ、じゃあさ」
――ずっとアタシだけ見ていて。今日はずっと、一緒にいて。
と、パピヨンは恥ずかしそうに照れくさそうに、小さな声で言った。
『……それだけでいいのか?』
パピヨン「は、はぁ!?お、お兄さんなにそれ!あ、アタシ結構勇気出したんだからね!?」
『あ、いや悪い。そんなバカにするつもりじゃなかったんだが……いや、なんでもない』
もっとキミらしい我儘を言われると考えていたところに、ずっとキミだけを見ていてほしいなんて言われるとは思わなかった。だから思わずそんなことを言ってしまった。
……ずいぶんと可愛らしい我儘だった。というか、そんなことをわざわざ言わなくても自分はそのつもりだった
パピヨン「…………なに、その眼」
『何でもないよ、ほら今日は休んで、明日からまた調子を見て頑張ろう』
ジトーっとした目を向ける彼女に、にこりと微笑み返す。
外からセミのうるさい鳴き声がジージーと聞こえてくる。エアコンの効いたこの保健室、パピヨンと自分だけがいる場所で、目を離さないように見つめている。
パピヨン「…………そ、そんなに見ないで。ほんと、キモいから」
『……キミが見ていてほしいといったんだろう』
パピヨン「う、うるさいなぁ!ほら!休んでほしいならなんか面白い話して!あと飲み物とアイス!」
『……はいはい』
彼女の熱が収まるまで、保健室のベッドの上に寝っ転がった彼女と何かをおしゃべりし続けた。
…………いつの間にかスヤスヤと眠ってしまった彼女からも、目を離さなかった。
394Res/279.79 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20