181: ◆b0/EDFEyC136[saga]
2024/09/20(金) 03:00:44.78 ID:cI5zJ7Tp0
パピヨン「………………」
『ほら、お水。あとこれで首筋を冷たくして』
宿舎の保健室でパピヨンにスポドリと保冷剤を渡す。気まずそうにしながらスポドリと自分を見比べてから、パピヨンはちびちびと水分補給をし始めた。
……どうやら大事にはなっていないらしい。意識もはっきりしているし、本当に熱があっただけのようだ。
『……悪かった、キミの体調にも気づけなくて』
パピヨン「い、いやっ。お、お兄さんは悪くないし……そ、そもそも、別に熱中症とかじゃ――」
「……キミは優しいな。けど今回は自分の責任だ、何かあってからじゃ手遅れだしな」
思えば自分はパピヨンの我儘に甘えていたのかもしれない。何か違和感があればすべて言ってくれる、嫌なことも不調も全部教えてくれるはずだと――今までのパピヨンへの信頼が、自分の甘えになってしまっていたのだ。
……最初から気付いている。パピヨンは責任感がとても強くて、頑張り屋なウマ娘だ――だから、きっとパピヨンはこうやって抱えてしまうこともあると。
「キミのことをすべて分かってこそのトレーナーだ。だから今日はゆっくり休んでくれ」
パピヨン「い、いやいや!い、いーよいーよ!ほんと、ちょっと……あ、暑かっただけだから!それよりほら、なんか併走とか言ってなかった?じゃあやろうよ併走!アタシ張り切っちゃつめたぁ!?」
頬っぺたにもう一つ持っていた保冷剤を押し当てる。
「ダメだ、今日はしっかりと休もう。やる気があるのは嬉しいが……今日は自分の言うことを聞いてくれないか?」
パピヨン「…………ぅ、しょ、しょうがないなぁ……!アタシがお兄さんの我儘を聞いてあげるとか、滅茶苦茶レアだからね?」
「はは、ありがとうパピヨン――じゃあキミの我儘を一つかなえてあげるよ。うん、何でも言ってくれ」
パピヨン「――」
……まずい、またパピヨンの顔が固まってどんどん赤くなってきた!
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