4:名無しNIPPER[sage saga]
2024/04/25(木) 22:52:51.48 ID:7GVnel7qo
ボクは闘った。それを拒むことはできなかった。
肉塊が4つ出来上がったころ、ボクもまたその生を終えようとしていた。
角も触覚も砕けた。
翼はズタズタで尾も千切れた。飛ぶことはもうできない。
ほんの少し身じろぎするたび、身体のどこかからどす黒い液体が零れ落ちる。
もはや痛みすらない。目を瞑れば、今度こそ安らかに眠ることができる。
これで終わる。終わるんだ。
産まれて、生きて、死ぬ。これがボクの生なのだ。
これが、ボクの───
その瞬間、身体が痛みを思い出した。
どこということはなく、全身いたるところが燃えるように痛む。
それでいい。
ボクは足に力を込めて立ち上がった。
辿り着けるかという不安はなかった。
逃げ出してきた時とは違う。
迷いはなかった。
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