14:名無しNIPPER[sage saga]
2024/04/15(月) 21:33:26.52 ID:HdnryJIo0
「あの日、菜々さんがスカウトされた日。俺は、あなたにプロポーズしようとしていたんです。
実家に帰ってほしくなかったから。ずっと、側に居てほしかったから・・・」
「でも、菜々さんは、見事スカウトされて、メジャーデビューを果たしました。
そうなると、俺のこの気持ちが、菜々さんの邪魔になってしまうことは、火を見るより明らかでした。
何処から誰が見ているか分からない世の中ですし、スキャンダルの原因になりかねません」
「気持ちを押し殺して、何気ない会話に終始すればいい。そう考えた時もありました。
だけど、あなたの声を聞いたら、気持ちがあふれ出してしまいそうで・・・」
気がつけば、俺の目からは、大粒の涙が流れていた。
「だから、連絡しなかったんです。こんな、弱い男で、ごめんなさい・・・」
再び、気まずい沈黙が訪れる。
この時間で、俺は、改めて今自分が言ったことを反芻していた。
結局、この2年もの間、抱え続けてきた気持ちは、ほとんど話してしまったようなものである。
ならば、あと一言、そこに付け加えても変らないだろう。
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