64: ◆CItYBDS.l2[saga]
2024/04/17(水) 17:31:04.20 ID:aGyuAlWz0
少年が正門にたどり着くころには、東の空が薄明るくなってきていた。
影の塊にしか見えなかった数多の遺体が、その姿を明らかにされる。
人、人、人、人、大勢の戦士達。そして、僅かながらの魔物。
ひときわ目立つのは、一つ目の巨人の亡骸だ。
昨晩、少年が金的を潰した魔物である。
少年が恐る恐る近づくも、息は完全に途絶えていた。
意外であったのは、巨人の瞳が傷一つなく残っていたことだ。
膝を屈した巨人のどこを狙うかとすれば、その巨大な瞳だと少年は考えたが。
巨人の命を奪ったのは、その太い首を3分の1ほど切り裂いた太刀筋であった。
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