異説 ひのきの棒と50G
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43: ◆CItYBDS.l2[saga]
2024/04/16(火) 21:03:27.87 ID:neaYQz3o0
 
 ベットの下で、僕は必至に息を殺し震えた。
 母が、人が、いとも簡単に、想像を超えた最期を迎えるのを目にして。
 湧き上がったのは怒りでも、悲しさでもなく初めて見る魔物への恐怖であった。 

 家の中で、父上の雄叫びとかち合う金属音が鳴り響く。
 父上が真っ先に立ちふさがったおかげで、オークからは僕達が潜む姿は見えていなかっただろう。
 僕は、妹が目を覚まさぬよう、その耳と目を両腕で覆った。
 すると、人肌の温もりのおかげか、僕の震えは少しだけ収まった。



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