954: ◆b0/EDFEyC136[saga]
2024/08/01(木) 23:20:52.76 ID:5C3SENQ10
ライム「――っぁああああああああああああああ!!!!!」
パピヨン「――――」
後ろからライムの叫び声が聞こえる。ぐんぐんと距離を詰めてきて、今にも抜かされてしまいそうなくらいのスピードで追ってくる――けど、それ以上に。今のアタシは――。
――なんて風が気持ち良いんだろう。火照った身体で冷たい夜風を切って、腕を振るう。脚を動かす。ただひたすらに、無心でそれを繰り返す。
パピヨン「――――っ」
背後から迫る星が、アタシに追いつかない。
冬の夜空に瞬く一筋の"青の流星"は、アタシという一頭の蝶に届かない。
今後どうなるかなんて分からない、今までのアタシは負けていた。けど、今この瞬間この走りは――自由に羽ばたくアタシが――――。
ライム「パピ、ヨン――っ!ぅぁあああああああああああああああ!!!!!」
へぇ、なんだ……そんな顔できるんだ。背後なんて見えないけど、何となく分かる。ライムの声と雰囲気が今までのそれとは違っていて、テレビでも見たことのない表情をしているんだろうな――ってのだけ、分かる。
――――けど、今のアタシにはそんなのどうでも良くて。
――。
――――。
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