948: ◆b0/EDFEyC136[saga]
2024/07/31(水) 23:52:56.50 ID:/YzgZ1zy0
ライム「はー……折角ですから走りましょうか!お互いに大事なレース前、どんな感じかを確かめるためにも!」
パピヨン「えー……アタシ練習で疲れてるんだけど」
ライム「まあまあ、いいじゃないですか。それにパピヨンさんのスタミナなら十分走れますって!」
パピヨン「んま、別にいいけどね。それじゃあ走ろっか――1600でいいよね」
ライム「!……ええ、構いませんよ」
はあ、嫌だ嫌だ。露骨に目の色変えちゃってさ。別に公式のレースじゃない、練習のちょっとしたレースなのに……本番みたいなオーラ出しちゃって。
……こういうところが、ライム何だよなぁ。まあ、気持ちは……分からないでもないけど。
ライムはどんなときにも全力で、手は抜かない。妥協は許さない、だからずっとずっとこうやって走り続けて――――あれ、なんかこれ聞いたことあるかも。誰だっけ。
ま、どうでもいっか。
パピヨン「――――フェブラリーステークス前に気持ちよく勝たせてあげると思ったら大間違いだからね」
ライム「ふふ、気持ちよく勝たせてあげたい――なんて気持ちは微塵もありまえんからご心配なく」
スタートラインに立つ。1600のゴール版に向かって、準備をする
パピヨン「ポッケにコインあったからこれを弾いて地面に落ちたらスタートで良いよね」
ライム「はい、大丈夫ですよ」
……はぁと息を吐くと、ほんの少し息が白くなった。けどこれも――すぐに消える。体中の熱で、上書きされるみたいに。
――――コインを親指の爪に乗せて、勢いよく弾く。ピーン、と音が響いて、ひゅるひゅると空気を切る音が聞こえて――。
――――地面に落ちる、瞬間。
パピヨン「――――!」
ライム「――――!」
アタシたちは、地面を蹴った。
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