896: ◆OX0aJKbZO.0H[saga]
2024/07/16(火) 22:59:17.96 ID:7jXHerMK0
記者「なるほどなるほど……はい、貴方のシルヴァーパピヨンさんへの熱い思いは伝わりました。では、そのように記事は書かせてもらいます」
少々脚色は加えるかもしれませんが、きちんと載せさせてもらいますよ。と、笑顔で言う男。その笑顔にどことなく不安を覚えるが、まあ、大丈夫だろう。
『すみません、よろしくお願いします』
記者「ところで、何故わたくしを?シルヴァーパピヨンさんの海外挑戦ならば、もっと大きな雑誌でも取り上げられそうなものですが。自分で言うのも何ですが、木っ端の雑誌ですよ」
――――確かに、最初に呼んだ記者はこの男だ。だが別に他の雑誌にも宣伝するつもりだし、テレビで小さなニュースくらいはなるかもしれない。
けど、なんとなく【貴方】がこの男を最初に海外挑戦を伝えたのには――あの日の彼女の言葉が理由だった。
『……パピヨン曰く、よっぽど見る眼があるそうですから。貴方は』
――パピヨンの事を見透かしたように語ったあの日の男。真っ先にパピヨンを取材した記者の男。それを、パピヨンは見る眼があると言った。
それだけの理由、それっぽっちの理由。
記者「――はは。成程、記者としてそう言って貰えると嬉しい限りです。では私の記者としての人脈や能力を使い出来るだけこのニュースを広げましょう!さあ、日本中に伝えるのです!シルヴァーパピヨンさんがドバイの地で世界一に輝くのだと!」
『ええ、よろしくお願いします!』
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