628: ◆OX0aJKbZO.0H[saga]
2024/06/10(月) 02:11:51.99 ID:oJ/bhrfl0
がさ、がさっ……すっ、すーっ……。
かり、かり。がさり……すーっ。すっ、すー……。
耳の中でがさがさと音が鳴り、耳の中に溜まっている汚れが掻き出されていく。たまに酷くこびり付いたものもあるようで、そういったものを剥がすとき耳かき棒の先端に力が入るのを感じると、少し気持ちが良い。
パピヨン「かり、かり……かりかり。かりかりかり……」
……無意識だろうか。パピヨンの口からオノマトペが漏れている。実際にされている耳かきと連動するように聞こえるその優しいオノマトペが、どんどん自分を眠気に誘ってくる。
耳の中に溜まっている汚れを、引っ掻いては取る。削っては取る。ゆっくりゆっくり周りを削り、落とさないように慎重に取る。
パピヨン「お兄さん本当に汚いね〜……でも、まあ。こういうの楽しいかも」
かり、かり、かり……かりかりかり、かりかりかり……がさっ。がさ、ごぞ。
ごぞ、ごぞ……がさっ。すっ……すーっ、すーっ。
パピヨン「…………♪すり、すり。かりかりかり〜……かり、かり。ごそごそごそ〜」
――――まずい、寝てしまう。先ほど耳にはツボが沢山あって、それが刺激されて気持ちがいいとは言われたが……これは、想像以上だ。
汚れの下に隠れていた肌が空気に触れて、少し痒くなってきたところを見逃さないとばかりにかりかりと掻いてくれる。溜まっていた汚れが一気に外に出て行くのが、気持ち良い。
うとうとと、瞼が重い。眠くて眠くて、仕方がない。
パピヨン「……ぷぷ、お兄さんだらしないお顔してるね?そんなに気持ちが良いんだ、アタシの耳かき」
『…………あぁ。気持ち良い、とても』
パピヨン「…………じゃ、もーっと気持ちよくしてあげるね。梵天を用意しまーす」
はーい、ふわふわふわ〜……ふわっ、ふわっ、ふわふわわ〜。
――ああ、あの白いふわふわ。あれを梵天というのか。
ふわふわが耳の中全体を一気に撫でる。ずぽずぽと耳の中を出たり入ったりして、次に中でくるくると回転しだす。
くるくる、ふわふわ。くるくる、ふわふわ……耳の中をこんなに甘やかされて良いものなのかと、思わず思ってしまう。
パピヨン「……ふ〜」
『……うぁあ!?』
すると突然、梵天が抜かれたと思うと――ふーっと、息を吹きかけられる。
パピヨン「サプライズプレゼントで〜す。お兄さん?ほらほら反対側にごろーんして、ごろーん」
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