479: ◆OX0aJKbZO.0H[saga]
2024/05/05(日) 02:44:19.52 ID:+9m/08ls0
パピヨン「ずびっ……ぐすっ、ありがと……」
『……なあパピヨン。キミはダメだダメだと自分の事を言うけど……ダメなんてことはないと思うんだ』
確かに、今日は負けた。自分自身も今日こそはパピヨンが勝つことに期待していたし、それは嘘じゃない――けど。
『今日この日の為に頑張ったことも、努力したことも。そしてそこに至るまでの経緯も全部全部……ダメだったなんて言わないでほしい』
パピヨン「……」
勝負の世界においては結果が全て――それは否定しない。だが、その結果に至るまでの全てを否定して、ダメを押し付けてしまうのはあまりにも悲しい。と、【貴方】は、そう思う。
『パピヨンが頑張ったことを自分は知ってるよ。だから、キミがダメじゃないってことも、勿論知っている』
パピヨン「……お兄、さん」
『そして、まだ終わりじゃない。だってキミはまだまだ走るだろう?』
ウマ娘である限り、ダートを走る限り、シルヴァーパピヨンとステラライムは今後も戦うことになる。ならば、リベンジの機会はまだまだたくさんある。
『また、頑張ろう。今日負けてしまった事も、次に繋がるから。その為に自分は――キミのトレーナーになったんだ。シルヴァーパピヨン』
そう言うと【貴方】は優しく笑って……シルヴァーパピヨンの頭を撫でた。
パピヨン「うひゃ!?ぁ……」
『……何度でも言うけど。キミはダメじゃないよパピヨン……ほら、そろそろウイニングライブに行こうか』
時計を見ると、そろそろライブが始まる時間。このままだと周りに迷惑が掛かってしまう。撫でるのを止めて、パピヨンの背中を軽く、押してあげる。
パピヨン「…………ぅ、うん。あの、えっと、お兄さん!」
アタシ、アタシね――!まだ、まだ沢山!走るから!お兄さんが、そう言ってくれる限り!
――そう言い残して、パピヨンは控室から飛び出していった。
『…………ああ、それも知ってるよ。パピヨン』
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