412: ◆OX0aJKbZO.0H[saga]
2024/04/16(火) 00:23:47.06 ID:pg5HTNuj0
バレンタイン当日。パピヨンのトレーニングはお休みということで、【貴方】は溜まりに溜まっていた仕事を黙々と片していた。
『…………』
いつもは騒がしいトレーナー室も静かで、この日は絶好の仕事日和だった。が、しかし……。
『……そういえばバレンタインか。今日は』
ふと思い出す、昨日先輩トレーナーがそんなことを言っていたのを。
何でもバレンタインの日は担当ウマ娘からチョコが貰えるのだとか。義理なのは分かるが、それでもやっぱり嬉しいと。ウキウキな様子だったのを。
……バレンタイン。学生時代から縁のないイベントだった、貰えるのは大抵親からだけで……いや、しかし。今ウマ娘のトレーナーとなった今、【貴方】はパピヨンからのチョコを――。
『いや、貰えてないな』
時刻はもう夜遅い、もうパピヨンは部屋でごろごろしている頃だろう。チョコを渡すならもうとっくに渡しているだろうし、そもそも……義理だとしてもチョコを渡してくれるか?
『貰えたとしても、なんか凄い奴だろうな。凄い辛いとか、酸っぱいとか……』
まあ、貰えないものを考えても仕方がない。そろそろ終わりそうな仕事を茶っちゃかと片付けて、着替えて眠ろう――と、その時。
こんこんこん、と。なんだか小さなノック。
『……?はーい』
こんな時間に一体誰が、と思いながら【貴方】は扉を開けると――。
パピヨン「ふぁぁあ……」
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