32: ◆OX0aJKbZO.0H[saga]
2024/03/04(月) 01:22:28.24 ID:NbPIO9X50
「……ふーん、やっぱ見る目ないね。お兄さん」
彼女は、笑わなかった。
「今回はたまたま、たまたまだよ。マグレで一着取れただけ」
『マグレだとしても』
『自分は、キミのあの走りに……惚れたんだ。だから……』
【貴方】は昨日彼女追ったのだ。その走りをもっと永く見たいから、追ったんだ。
「…………」
「……じゃあ良いよ。お兄さん」
彼女は……笑った。
「アタシのトレーナーなってよ、お兄さんまだいないんでしょ?担当」
「アタシはアタシの為に走るから。お兄さんは勝手に気持ちよくなっててよ」
ぷぷぷ、とニヤニヤ笑いながら……【貴方】にそう言った。
『分かった』
「……は?」
『キミのトレーナーになって、あの走りの……手伝いをさせてくれ』
「…………キモ。ほんと、意味わかんない」
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