286: ◆OX0aJKbZO.0H[saga]
2024/03/24(日) 00:14:15.24 ID:ktj7gsI90
ライム「はぁ、はぁ、はぁ――はぁ…………!!!」
パピヨン「はぁーっ、はぁーっ…………っ!はっ、はぁ、うっ…………ぉぇ…………」
頭に酸素が巡らない、血が流れない。今にも吐いちゃいそうなくらい、気持ち悪いのに……何故だか思考は鮮明だ。
負けた、負けた。最後に後ろから差されて、負けた――あんなに頑張ったのに、あんなにやったのに……!
ワァアアアアアアア……!!!と、大きな歓声が上がる。
ライム「…………っありがとう、ありがとうございました!本当にありがとうございました!!!」
大きな声で感謝の言葉、そして観客席に向かって大きく手を振るステラライム。それでまた歓声が大きくなる。
凄いなぁ、本当に。凄いなぁ……アタシは、もうそんなことできないよ。
ライム「……パピヨンさん!」
パピヨン「はぁ……ぁ、ライム?」
ライム「へへ、今日も私の勝ち、ですね!でもパピヨンさんの走りも凄かった……!最後の最後まで、本当に勝負が分かりませんでした
……!」
パピヨン「ぷ、はは……そんな風に言わないでよ、勝者が言っても嫌味に聞こえるよ?」
ライム「そ、そんなつもりじゃないですよ!本当に、本当にいい勝負だったから――はい。やっぱり、私はパピヨンさんをライバルだと思ってます!」
アタシの手を握りしめる。
ライム「貴女がどう思っているのかは分かりませんが――だから、また走りましょう!もっともっとも―っと走って、貴女の口から、ライバルだと言わせて見せます!」
パピヨン「……!」
ライム「それでは、また!次のウイニングライブで!」
――ライバル。ライバルかぁ、前にお兄さんにも言われた、その言葉。
…………。
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