【安価コンマ】オリウマ娘と共に
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156: ◆OX0aJKbZO.0H
2024/03/10(日) 19:52:07.27 ID:vyOUQk7x0
――シルヴァーパピヨン宣言!全日本ジュニア優駿でも逃げ切りか!

(……バッチリ書かれてるな)

あのメイクデビューであった記者の記事だろう、あの時の会話を元にだいぶこちらがヒールのように書かれている。

『シルヴァーパピヨンとその担当トレーナーはG1でも華麗な逃げ切りを決めると記者に対して宣言し、当日のメイクデビューでは勝利後、己の強さをアピールするように観客を煽り……』

……ネット上でも、この記事は話題になっているようだ。まあ、メイクデビューで勝ったばかりの子がこんなことを言ったらなぁ……。

パピヨン「あー、お兄さんもしかしてそれ……アタシの記事?」

『あ、こら!』

後ろから読んでいた雑誌を取られてしまう。しまった、彼女にこういうのはあまり見せたくなかったが……仕方ない。

パピヨン「ふーん……ま、ウマッターでもちょくちょくアタシの名前見るし、こういうのも書かれるよね〜。てか、これあの時の記者さんのでしょ」

……あ、写真写りちょっと悪い!もっと可愛く撮って欲しいんだけどな〜、と。パピヨンはあまり内容については気にしていなかった。

『……大丈夫か?』

パピヨン「は、なにが?デビューを上手く飾ったウマ娘が、ちょっと調子に乗ってる〜って思われてるだけでしょ?」

勝てるわけがない、逃げ切れない、期待されていない――パピヨンはなぜか、嬉しそうに言った。

パピヨン「ま、だから別にアタシは気にせず走るだけだよ〜お兄さん」

『……そうか。キミが気にしていないならそれでいいが……少し間違えてる』

パピヨン「?」

『自分は、キミが勝つことも、逃げ切ることも信じているし、期待もしている……だから、頑張ろう』

【貴方】はパピヨンの手を握り、言った。ジーっと彼女の瞳を見つめると、パピヨンの方から視線をずらされてしまった。

パピヨン「…………っ!バカみたい。じゃ、アタシプール行ってきまーす」

『……ああ、少ししたら自分も行くから先に準備していてくれ』

戦いは冬――まだやれることはある。頑張ろう……と、心の中で誓った。


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