79:名無しNIPPER[saga]
2024/03/03(日) 15:44:44.86 ID:ejBGnolxO
「…えっと。わ、私は遠く離れた山を縄張りにした盗賊団で、先述した通り雑用をしていたんですが…その。盗賊団が解散しちゃって、一人になったんです。物心が付く前からその盗賊団にお世話になってたので、頼れる人はいなくて…。薬草や鉱石を売って、なんとか今までやってきたんですけど…。一人でずっとやっていくのは、その、心細いから。助けてほしいなって思って、応募しました。…ご、ごめんなさい。下っ端とはいえ、盗賊風情が生意気というか、偉そうですよね。こんな私が、誰かの助けを得て生きようだなんて…」
別にそんなことはないだろう。物心が付く前に拾われたということは、彼女は捨て子、或いは何らかの事件や事故に巻き込まれて両親が死んだのだと想像がつく。
そんな天涯孤独の身となったモニカを紆余曲折あって盗賊団が拾い、雑用を押し付けていた。
彼女個人でどうにかできる範囲を遥かに超えている。どこでアクションを起こしても、当時の状況を脱することは不可能だっただろう。
それに他人を頼るのは誰しもが持ち得る権利である。誰も一人では生きられないのだ。
困った時、辛い時は他人を思う存分頼るといい。それを無下にするような性格の悪い人はここにはいないはずだ。
「あ…ありがとう…ございます…。えへへ…」
前髪に隠されたモニカの瞳が潤み、小さく微笑む。ステラは不覚にも可愛いと思ってしまった。
敢えて言うが、この可愛さは小動物的な可愛さである。なんとも庇護欲が掻き立てられる表情だ。全国各地の男性冒険者諸君もこの表情を見たらこの笑顔はなんとしても守護らねば…と思うこと間違いなし。
なんというかモニカが拾われた理由が心で理解できた気がする。
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