65:名無しNIPPER[saga]
2024/02/27(火) 20:38:26.86 ID:6zZX8g65O
続けてステラが手を付けたのはハチミツの甘い香りが漂うスウィートピザ。チーズの大地からこぼれ落ち、トロリと滴る黄金色のハチミツに思わず喉が鳴った。
スウィートピザを一切れ取り、具材の部分に齧り付く。チーズの持つ塩味とコクが、ハチミツの甘味を何倍にも増幅させる。
しょっぱい物と甘い物の組み合わせは最強だと誰かが言った。なるほど。その言葉には頷く他ない。
増幅されたハチミツの甘味はくどく感じる前に溢れんばかりのチーズによって相殺される。
一番甘く、それでいてしつこく感じないギリギリを攻めた完璧なバランス。ここに至るまでにどれほどの月日を費やしたのだろうか。
ピザ職人の努力と研鑽の日々に、ステラは無意識のうちに敬礼していた。
「おかわりお願いします!!!」
そんなものはない。ステラはネージュの要求を無慈悲に突っぱねる。
さて。最後のピザを頂こう、とステラは手を伸ばし、首を傾げることになる。
ガーリックエンペラーピザが無いのだ。一枚も見当たらない。残っているのは、まるで墓標のように皿に付いたガーリックソースだけである。
まさかと思い下手人に視線を向け、皿を指差す。ネージュはにっこりと微笑んで。
「ごちそうさまでしたっ!意外と良い人なんですね!」
と宣った。その後簀巻きにされて空き部屋にぶち込まれたのは言うまでもない。本人は嬉しそうにしていたので何故だか負けた気がした。
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