112:名無しNIPPER[saga]
2024/03/21(木) 00:20:06.46 ID:HWFNvK8iO
ドラゴンの寝床も一面凍結しており尋常じゃない寒さではあったのだが風雪を凌げるだけ外に居るよりマシであり、何より食事には困らなかった。
二週間は自前の保存食で賄うもすぐに無くなり、その後の二週間はドラゴンが拾ってきた木の実やドラゴンが狩ってきた魔物の肉で飢えを凌ぐ毎日。
防寒対策を万全にした上に保存食もかなりの量持参していたのだが、吹雪が止むまでの一カ月間を耐え忍ぶには足りず最終的にドラゴンの厚意に甘えることになったのは恥ずかしい話だ。
その後はドラゴンズハウスで休養を取ったことでやむなく切断した手指や足が再生し、天候も回復したところで近くの村へと移動した。名残惜しそうにこちらを見ていたドラゴンの顔が印象的だった。
村に帰還したステラはまず最初にギルドに顔を出したのだが、既に死亡届が受理されていたらしく大いに揉めた。
一カ月の間音沙汰無しだったから死亡したと判断されるのは仕方のない話なのだろうが、救援依頼も出さずに即死亡届を提出するのは見切りが早すぎるし薄情にも程がある。これには流石にちょっと傷ついた。ヤケ酒でベロンベロンに酔っ払ったのはあの時が初めてだ。
ちなみに件のパーティとはその一件以来一度も再開したことは無い。もう過ぎたことだとこちらは気にしていないのだがせめて一言くらい欲しいものだ。
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