剣聖が鍛冶屋を営むようです
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111:名無しNIPPER[saga]
2024/03/21(木) 00:18:57.19 ID:HWFNvK8iO
貴族に差し入れしても恥ずかしくない高級品が記載されているページの中で、ステラの目を引いたのは氷華のヘアピンとグリフォンの羽根ペン。

氷華のヘアピンは、ケルローネから遠く離れた【ルナライト凍原】と呼ばれる場所に群生する【氷晶薔薇】という花をモチーフにした、職人が水晶を削り出して製作した髪留めである。
氷晶薔薇は脆く崩れやすいので保存に向かず、実物は現地で確認する他ないのでここまで精巧に作るのは至難の業だ。本物同然というか本物より綺麗かもしれない。このヘアピンを手がけた職人の腕前が窺える。

しかし、本当に良くできている。以前見た氷晶薔薇の花園を彷彿とさせる美しさだ。あの時は思わずビューティフォー…と柄にもなく呟いてしまった。懐かしい記憶だ。
あの時は大変だった。異変調査のために知らない人たちと即席パーティを組み意気揚々とルナライト凍原に繰り出したものの、雪崩に巻き込まれた上に魔物の大群に襲撃され、全滅を避けるために苦肉の策として殿を務めたのは記憶に新しい。
孤軍奮闘の甲斐あって異変の原因だった魔物の大群は殲滅できたが、その結果見事に迷ってしまい遭難したのだ。

戦闘による負傷で大量出血するわ傷の治療に魔力を必死に回したせいで体力が底を突くわ凍傷で指先や足が黒くなるわこの状況でルナライト凍原を縄張りにしているドラゴンと遭遇するわで死を覚悟したのだが、どうやら天命は自分にあったようでドラゴンに保護されたのだ。今思い出しても意味が分からない。


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