30:名無しNIPPER[saga]
2024/01/21(日) 11:21:50.55 ID:rdftOwIGo
らでん「八五郎が家に帰りますと、お富が嬉しそうな顔で出迎えて、開口一番こう言うのです」
お富「アンタ、ついさっき思いついたんだけど、『まよ』って名前はどうだい?」
八五郎「まよ?」
お富「そう。アンタがそんだけ迷って考えてたから、『まよ』。あと、魔除けの意味も込めてね。可愛いし、いい名前だと思わないかい?」
八五郎「なるほど。それで『まよ』って訳か」
八五郎「いや、確かにそれは良い名前だな。だがよ、問題は仔猫の方がその名前を気に入ってくれるかどうかだ。もしも気に入ってくれたら、お前の言う通り、まよにしよう」
らでん「そして、後日。実際に仔猫が家にやってきまして。その仔猫がよく鳴くんですよ。ミャーオ、ミャーオと」
らでん「その鳴き声がこの二人には、『マーヨ、マーヨ』と鳴いているように聞こえまして。これが我が子が可愛く見えるという親の心理でございましょうか」
お富「アンタ、今の声、聞いたかい?」
八五郎「ああ、この子も『まよ』って名前が気に入ったんだ。間違いねえ」
らでん「とまあ、こうして、この仔猫は『まよ』と名付けられ、大事に大事に育てられているとか」
らでん「ハピエン村の方々もにっこりの結末ではないかと思います」
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