アイマス×俺ガイルSS プロデューサー八幡とアイドル達の日常
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◆YYjyt422CY
[saga]
2024/01/17(水) 19:47:01.51 ID:7Cy0QJeG0
速水奏編
「あなたと2人きりなんて随分と久しぶりね」
「ん?ああ、そう言えばそうだな」
八幡は夜の車道を社用車を運転しながら、助手席に座る少女と話していた。
少女の名は速水奏。八幡の担当するアイドルの1人である。
17歳の現役高校生でありながら、容姿や性格も相まって、大人以上の色気を醸し出し、老若男女を問わず、魅了するアイドルだ。
「比企谷さんとドライブなんて聞いたらみんなどう思うかしら」
「それはあれだ。あんなのと2人きりなんてかわいいそうとか思うんじゃないの?」
「相変わらずの自己評価ね」
「お褒めにあずかり光栄だな」
「いつから比企谷さんは耳まで腐ってしまったのかしらね」
「ねえ、『まで』って何?俺の腐ってるとこ、目だけだよね?」
「なんでそこの自信は揺らがないのかしら」
奏ははぁ、とため息をついた。
「昔から現在進行形で言われてることだからな。最近は比較的マシになったとは言われるが」
「妹さん?」
「まあ、そこらへんだな」
八幡の頭には豊富なボキャブラリで罵倒の言葉をかけてくる長い黒髪をたなびかせた女と就職し、トレードマークのお団子を下ろしている優しい女と生意気なあざとい後輩の姿が浮かんでいた。
「へぇ」
八幡と奏の会話はそこで一旦途切れた。
カーステレオから流れるラジオとエンジン音だけがその場に流れていく。
元々八幡は必要以上に話すことを得意とするタイプではないし、奏も決して口数の多いタイプではない。
故にこの時間は2人にとって決して居心地の悪い時間ではなかった。
ラジオから流れる音楽に合わせて奏が鼻歌を歌い始めた。
(随分と機嫌がよさそうだな。奏だけに鼻歌を奏で…ってどっかの酒好きおっさんアイドルの思考が移ってんじゃねえか)
八幡はチラッと奏の方に目をやると、すぐ視線を前に戻し、運転に集中し始めた。
(こいつの鼻歌を金払ってでも聞きたいやつは多いだろうし、それを考えると役得か)
「どうしたの?さっきからチラチラ見て」
(最初に見ただけのつもりだったが、そんなに見てたか?)
「いや、鼻歌なんてやけに機嫌がよさそうだと思ってな。仕事の内容がそんなに満足だったか?特別な仕事とかではなかったが」
「それがわからないかから比企谷さんなのよ」
「俺の苗字を悪口代わりに使わないでもらえますかね。妹も同じ苗字なんで」
「すべてそこに直結してしまうのね…。妹さんもこんな兄がいたら結婚とかできなそうね」
「は?いや、小町は一生独身だから。お前馬鹿なの。なんでうちのかわいい小町をどこの馬の骨かもわからないやつのところに嫁がせないといけないわけ?いや、向こうが婿養子ならいいとかそういうわけじゃないけど。小町を嫁になんて絶対やらねえから。同性婚でもやらん。大体お兄ちゃんがいればそれでいいだろ。あいつもいい加減小町から離れないと滅さんといかん。でも、あいつの姉がおっかないからな…。俺が滅されかねん。小町があいつに異性としての感情を持ってなさそうなのが救いだが。いやでも、あんなにかわいいんだからどいつが狙ってるかわかったもんじゃないしな」
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