デジタルモンスター研究報告会 season2 エピローグ
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◆VLsOpQtFCs
[saga]
2024/02/24(土) 15:49:18.04 ID:HMJiXyN30
カリアゲは、机を拳で叩いた。
「…俺だけが… 俺だけが何もわかってなかったのか…!」
震えるような声を絞り出すカリアゲに、クルエが声をかけた。
「…私も同じ気持ちだよ、カリアゲ」
「…クルエ」
「…気持ちは。分かるよ」
「…」
カリアゲ。私も気持ちは分かる。
同じことを思っていた。ただ黙っていただけだ。
「…ケン」
だけど…言葉にできなかったんじゃない。言葉に『しなかった』んだ。
「…そうだよな、そうだよな、ケン!クルエ…!」
『いい加減にしろカリアゲ!自分が正義のヒーローか何かだとでも思っているのか!』
「…!」
『貴様らは何者だ、セキュリティチーム!リーダーからは、コミックに登場するような正義の戦隊だとでも教わっているのか!?』
「…違うよ。俺たちは正義のヒーローじゃないと…。生存競争をしているんだと、聞いた…。あんたが言ってるようにだ、パルタス…」
『ならば必然!敵が勧善懲悪のコミックから出てきたようなヴィランでないことも分かるだろう!あんなフィクションは、後腐れなく制裁欲求を満たして脳内麻薬を刺激し快楽を得るためだけの低俗な娯楽にすぎない!現実にあんなサンドバッグなどいない!デジタルワールドにもだ!』
「…リーダー、悪い。俺、別の部屋で… フローティア島にいるパートナー達の面倒を見てるよ…」
「…カリアゲ」
「作戦がうまくいってさ、グサグサと仲良くなれたらよ… 俺の代わりに、ブイモンとデジタマモンを褒めてやってくれ…」
「…分かった。こっちでやっておく」
カリアゲは席を立とうとしたが…
『逃げるな!!カリアゲ!!!』
「っ…」
『己が背負う業から目を背けるな!!!それが責任というものだろうが!!』
「…わ、わかった…わかったよ…!見届ける…すべて…!」
カリアゲは震える声で、席に着いた。
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