393: ◆15vHdNAAAEr/[sage saga]
2023/12/18(月) 04:12:02.88 ID:OkKiMh/No
サクラ「え、え……?」
サクラ「よう……せい……?」
サクラ「ちが……う。シキは……ちがうよ……」
シャドウ「違わない。あの妖精がいたから泣けなかった」
サクラ「ち、がう……ちがう……ちがう、違う違う違うっ!! シキは関係ないっ!!」
シャドウ「関係あるよ。だってあの妖精、ずっとあなたのそばにいた」
サクラ「たしかにずっと一緒だったけど……! でもそんなの……!」
シャドウ「外ではいつもニコニコ笑ってなきゃいけないあなたにとって、あの小さなクッションは唯一あなたがあなたのままでいられる場所だった」
サクラ「っ……違うっ……!」フルフル
シャドウ「なのにあの妖精は、そんな場所にまで踏み込んだ」
サクラ「わたしが受け入れたのっ!!」
シャドウ「でもそのせいであなたは、隠れて泣くことすら出来なくなった!!!」
サクラ「っ!」
シャドウ「ほんの少し気を抜くことすら許されなくなって! ずっと笑顔のままいるしかなくて! そうやって抑え続けなきゃいけなくなった!!」
サクラ「ち、がうっ……!!」
シャドウ「あの妖精のせいで、わたしはここまで大きくなったんだ!!」
サクラ「!」
サクラ「……っ!」ギリッ
サクラ「あの子はわたしより苦しんでた!!!」
サクラ「故郷も家族も友だちも喪って! 行くあても無くなって!!」
サクラ「わたしがなんだって言うの!? あの子に比べればわたしの痛みなんてなんでもない!! あの子の方がわたしなんかよりずっと大きな悲しみを抱えてたの!!!」
シャドウ「他の誰かがあなたより悲しんでることが、あなたが泣いちゃいけない理由になるのっ!!?」
サクラ「なるよっ!!!!!」
シャドウ「!」
サクラ「はぁっはぁっ……! だって、わたし……約束したもん……」
サクラ「戦うって……ぜんぶ取り戻すって……絶対助けるって言ったんだもん……!」
サクラ「それなのに、助ける方が泣いてたら……助けられる方は不安になっちゃう……」
サクラ「……それじゃダメなの」
サクラ「大丈夫って言わなくちゃ……いつでも笑顔でいなくちゃ……ちゃんと約束守らなくちゃ……」
サクラ「泣いたって……なんにもならない……」
シャドウ「……っ」ゾワッ
サクラ「そう、そうだよ。なんにもならないんだよ……」
サクラ「わたしが泣いたからなんだっていうの? それで誰かを助けられるの? わたしの涙で誰を救えるの?」
サクラ「なんにもならない……」
サクラ「なんの意味も……価値もない……」
サクラ「そんな、なんの役にも立たないもの」
サクラ「はじめから」
サクラ「枯らしてしまえばよかったんだ」
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