370: ◆15vHdNAAAEr/[sage saga]
2023/12/17(日) 02:14:50.44 ID:3a/Q+oRzo
桜野(学校からの帰路、わたしの足取りは1年前のように軽くはなかった)
シャドウ「それでもあなたはまっすぐおうちに帰った。それまでは出来るだけ遅くなるように帰ってたのに、あの日だけはそうしなかった」
サクラ「……っ」
シャドウ「もしかしたら何か起きるんじゃないかって思ってたんだよね。あの日の出来事はぜんぶ夢で幻で、帰ったら幸せな誕生日をお祝いできるんじゃないか、なんて……そう思わずにはいられなかったんだよね」
サクラ「ち、が……っ!」
シャドウ「でもその期待はちょっとだけ叶った」
サクラ「っ……」
桜野(そう。ちょっとだけ叶った。あの日、意を決して家に帰ったら、玄関にママがいた)
シャドウ「ママが、おかえりって言ってくれたんだよね」
桜野(ママの顔をまっすぐ見るのは久しぶりだった。本当に、本当に久しぶりだった)
サクラ「……」
桜野(久しぶりのママはすごく疲れていて、やつれていて、ボロボロで……でも穏やかに笑ってた)
シャドウ「ママ、いっぱい謝ってくれたね。今までごめんね、ほったらかしてごめんね、ちゃんとお母さんできなくてごめんねって何度も……」
サクラ「………………やめて」
シャドウ「誕生日もちゃんと覚えててくれたね。バースデーケーキも用意してくれて、ナイフで切り分けてあなたの前に飾り付けてくれたね」
サクラ「…………やめてよ」
シャドウ「それでママ、あなたに聞いたよね」
サクラ「やめてって言ってるでしょ……!」
シャドウ「誕生日プレゼントは何がいい?」
サクラ「やめろっ!!!」ダッ
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