279: ◆15vHdNAAAEr/[sage saga]
2023/12/08(金) 00:14:54.49 ID:m8glC2c1o
クリスタル「はぁ……はぁ……」
カサイ「チィ……いいとこで……!」ヂヂヂヂッ
クリスタル「………………」
カサイ「だが、まだまだこんなモンじゃなァ……!」
クリスタル「……私、怖いものがたくさんあります」
カサイ「ああ?」
クリスタル「とりわけ大事なものを……大切な人を失うことが、怖くて怖くてたまらなかったんです」
カサイ「……」
クリスタル「失ってしまったらどうしようって、そればっかり考えて、逃げて、動けなくなって、ただ漠然と怯えていました」
クリスタル「でも妹が気づかせてくれたんです」
クリスタル「みんなとは、この心で繋がってる。大事なものはぜんぶここにある。私はまだ、何も失ってないんだって」
カサイ「……だから怖いモンなんてもう何も無いってか?」
クリスタル「いいえ」フルフル
クリスタル「確かに私はずっと、怖がってちゃダメだって、怖いものをなくさなきゃって思ってました。けどできなかった」
クリスタル「でもそれでいいんです」
クリスタル「怖いものはやっぱり怖いんです」
クリスタル「怖いものがない人なんていないんです」
クリスタル「どんなに怖くないフリをしたって、それで怖いものが無くなったりしないんです」
カサイ「……」
クリスタル「だからちゃんと向き合うんです」
カサイ「ああ……」
クリスタル「ただ逃げたり、怯えたりするんじゃなくて……怖いと思った時こそ、正面から向き合うんです」
クリスタル「きっとそういうものを、勇気って呼ぶんです」
カサイ「……ああ、そうだなァ」
カサイ「怖いもの知らずなんざ、ただの蛮勇。戦力差の分からんバカの考え方だ。死んだら元も子もねェからなァ」
カサイ「どうせ死ぬなら、死ぬほど楽しまなくちゃなァ……」
クリスタル「……」
カサイ「そんでどうだ。今のお前にゃどう見える。目の前にいるヤツぁ怖ェか?」
クリスタル「……はい、とっても」
カサイ「……!」
カサイ「そうか……ははっ……」
カサイ「オレもだよ」ニッ
743Res/384.67 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20