クラスの変わり者が揉め事を起こして始まる一次創作
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70:名無しNIPPER[saga]
2023/11/17(金) 00:10:17.70 ID:2ef1Kz6WO
「言いたいことはそれだけだから……じゃ」
「あ、山田。今日の放課後って予定ある?」

敗北を乗り越えて立ち去ろうとしたあたしに有栖川が声をかけた。思わず期待してしまう自分に嫌気が差す。でも今日だけは。いや、これからは素直になろう。だってあたしは。

「田中たちが勉強してる間、暇でしょうがないから山田にもうちに来て欲しいんだけど」
「うん……わかった。行く」
「ほんと!? あのさ、出来ればなんだけど」

素直に頷いたあたしに有栖川はこう囁いた。

「明日学校休みだし、泊まっていかない?」
「……ふぇ」
「え? なに? よく聞こえないんだけど?」
「わ、わかったって言ってんの! バカ!」
「そ、そんなに怒ること……? まあ、いいけと。それじゃあ、放課後、カヤを迎えに行かせるから、荷物とかを用意して待っててね」
「……待ってる」

有栖川とお泊まり。どうしよう。顔が熱い。心臓が張り裂けそう。なんなら、吐きそう。
たまらずトイレに駆け込んで溜息を吐く。

「はあー……しんどいなぁ」

わかってる。何もかも。この感情には覚えがある。前の対象は高橋先輩だった。そして今の対象は有栖川。その相手と、お泊まりだ。

「個室……誰も入ってないよな?」

トイレの個室をチェックして中に入りかけて我に返る。今、あたしナニしようとしてた?
ダメダメそんなの。ポッケに入れてるブルートパーズのネックレスを取り出して握りしめる。石言葉は"誠実"と"友情"。だからダメ。

「あたし、マジで有栖川のこと……もぉ〜」

認めよう。あたしは有栖川のことが好きだ。


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