日向「安価とコンマで依頼を解決する」セレス「その5ですわ」
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◆DWp3lSnh.v3L
[saga]
2023/11/05(日) 22:45:35.54 ID:Q6IMi5390
初老の女性「……粗茶ですが、どうぞ……」
魔法使い入間「あ、ありがとうございます……」
店の奥に有った家のリビングを、ズーンとした重苦しい空気が包んでいる。……左右田の……いや、左のご両親が醸し出している雰囲気だ。あまりの空気の重さに、あの入間でさえ丁寧語を使っていた。
左「……で、あんたらは勇者様御一行で間違いねぇんだな?」
勇者日向「……ああ、そうだ。俺が勇者だよ」
左は「……ならやっぱりこれは『運命』って奴だな」とボソリと呟いて
左「分かった。俺に出来る事なら何でも協力させて貰う──その代わり」
武闘家茶柱「……その代わり?」
左「……魔王軍に街の連中が何人か「人質」として奪い取られてるんだが……その中に「東園寺よる子」っつー奴がいるんだ。そいつを必ず助けだしてやって欲しい」
勇者日向「……それだけか?」
左は「それだけだ」と力強く言う。
武闘家茶柱「な、なんだ。それだけですか! でしたらご安心を!! 私達は魔王軍を討伐するだけで無く当然人質の皆さんの事も──「あああああああああああああっ!!」ちょっ! 五月蠅いですよ葉隠さん! 何いきなり大声を出してるんですか!!」
陰陽師葉隠「思いだしたべ……! 『左和太郎』! 極東の大名家の跡取り娘「東園寺よる子」を誑かして誘拐した、国際指名手配犯だべ!!」
三人「「「!!!???」」」
左「……ああ、そいつで間違いねぇよ」
左が、国際指名手配犯……!? そうか、だからカイトウも工場長も情報を出すのをあれだけ渋ってたのか……。
左「……全部が終わったら、俺を憲兵団に突きだして極東送りにすりゃあ良い。……獄門でも釜茹ででもなんでも受けるさ。だから──」
左はその場で俺達に対して乞い願うように土下座をした。
左の父「和太郎!」
左の母「和太郎ちゃん!」
左「頼む! あいつを……あいつを助けてやってくれ!! 悪いのは全部俺なんだ!! 俺が、俺が無理矢理あいつをあの家から連れ出したんだ!! だから──!!」
勇者日向「…………」
陰陽師葉隠「おい、これどうすっべ? たとえ短期間でも国際指名手配犯を庇ったり協力して貰った事が国に知られたら……」
魔法使い入間「……最低でも罰金、最悪魔王討伐時に貰える報酬が大幅に減額されるかもな」
武闘家茶柱「……なぜ、そんな事をしたんです? あなたのスケベ心や下心からですか? それとも──」
左「……自分でも分かんねぇよ。ただ「あいつをここに置いてちゃダメだ」って強く思ったんだ。……そしたら自分でも自分が分からねぇ内にあいつを誘拐してた。……これで良いか?」
武闘家茶柱「……転子にはどうして良いか判断がつきかねますが……。日向さん、どうします?」
勇者日向「……分かった、約束する。その代わり──」
左「ああ、話しはさっき聞いたぜ。ドス・グレムリンに魔改造されたガーディアン・キーボを直しゃあ良いんだろ? ……俺なら多分出来る。……決行の日は?」
勇者日向「……色々準備がいるんでな。明後日でどうだ?」
左「……分かった、それまでに装備や身支度を整えとく。……ありがとな、勇者様よ」
勇者日向「ああ……。じゃあな」
そう言って、俺達は左の自転車屋を出た……日は既に沈み掛かっていたが、やる事が山ほど有る。……さて、忙しくなるぞ。↓3まで謎のコンマ判定。
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