日向「安価とコンマで依頼を解決する」セレス「その5ですわ」
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◆DWp3lSnh.v3L
[saga]
2023/11/05(日) 22:16:23.27 ID:Q6IMi5390
工場長「……分かりました、お話ししましょう」
工場長はとても言い辛そうに、尚且つ悩み苦しみ抜いて、それでも俺達に「スーパーメカニック」と呼ばれている人物の事を話してくれた。
工場長「彼は今、実家の「自転車屋」……地図で言うと、そう、この商店街の隅っこにあるここです。このお店でご家族と共にひっそりと暮らしています」
陰陽師葉隠「おお! 場所も分かりやすいしスグに教えてくれたし、最初っからこっちの方を頼れば良かったべな!!」
魔法使い入間「んじゃ、さっそくその「スーパーメカニック」とやらの力を借りに行こうぜ!! んで、準備を整えたらドス・グレムリンの討伐に出発だ!!」
勇者日向「…………ああ、そうだな」
武闘家茶柱「? どうしたんです? 日向さん」
……俺は、なんだか嫌な予感がしていた。この場所に来るよりずっと前、この都市の大図書館で「スーパーメカニック」の情報を得た時からだ。……それに、カイトウと工場長の辛そうな顔……それが、どうしても気になっていた。
工場長「…………」
勇者日向「工場長」
工場長「……なんでしょう」
勇者日向「……全てが終わったら、俺達はそのスーパーメカニックとはもう一切関わりません。彼が幸せに生活しているというなら、俺は危険な事に巻き込みたくない」
工場長「……ありがとうございます」
俺のその言葉を聞いても、工場長の表情は本当に辛そうで、正直見ていられなかった……。
〜〜〜商店街の隅っこにある自転車屋〜〜〜
魔法使い入間「ここに件の「スーパーメカニック」がいるって話だったな……。早速だが中に入れて貰おうじゃねぇか! おーい! 俺様達は勇者御一行様──」
???「──頼む! 親父、お袋、俺を行かせてくれ!!」
???「──ダメだ! 和太郎!!」
???「──お願いよ、あなたを失う事があれば私は……私達は……!!」
陰陽師葉隠「……なーんかトンでもなく込み入ったお話中みたいだべな。どする、日向っち? 出直すか?」
勇者日向「……いや、ここは強引に押し通ろう。失礼します!!」
初老の男性「!! あ、ああ……いらっしゃいませ。ウチの店に何か入り用で?」
武闘家茶柱「私達はこの国の王様に魔王討伐を任された勇者一行です。このお店に伝説の「スーパーメカニック」がいると聞いて来ました。そのスーパーメカニックさんは今どちらに?」
初老の男性「!? か、和太郎!! 逃げなさ──」
???「……いや、これは運命って奴だよ親父」
──ああ、やっぱりか。と、俺はその時思った。
左「俺がその「スーパーメカニック」って呼ばれてた男……『左和太郎(ひだりかずたろう)』だ」
……お前もこのゲームのNPCとして配役されてたんだな……左右田。
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