日向「安価とコンマで依頼を解決する」罪木「その4ですぅううう!!」
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124: ◆DWp3lSnh.v3L[saga]
2023/10/23(月) 23:54:36.16 ID:poYJPjDh0


日向「う、うおりゃぁあああああああああ!!」

俺は手にした短剣で、跳躍しながら相手のモンスターの上顎を狙って斬撃をかます。その攻撃が決定打になったのか、頭に冠を乗せた泥竜はフラフラと揺らめきながら、最終的にはバタンと力尽きて地面に倒れた。


日向「──よっしゃぁあああああああああ!!」

もう既に何度か味わったが、この爽快感とリアル感がたまらなく気持ちいい。こっちが敵に吹っ飛ばされても肉体的ダメージは無いし、逆に攻撃を決める時は確かな手応えと「トドメを刺した!!」っていう感覚がちゃんとある!! 動きも「システム」が勝手にやってくれるからあれこれ考えて身体を動かす必要も無いしな!!

……すごい、これは本当に凄いぞ!! 既存の3DゲームやVRシステムなんか目じゃない!! これが普及した暁には、きっと人類の娯楽と生活は次のステージに──!!


不二咲『あ、あー、あー。日向先輩、聞こえますかー?』


その時だった。空に巨大なスクリーンが映ったかと思うと、不二咲の顔がそこに映される。


日向「不二咲か。何か緊急の用事か?」

不二咲『いえ、その……。もうそろそろ三時間経つので、データを纏めるためにも一端「こっち」に戻って来て欲しいなぁ……って……』

──ウッソだろ!? もう三時間も経ったのか!!? ……この辺りは現在発売中のゲーム達となんの差も無いな。むしろリアリティと爽快感がもの凄い分、一度ハマったら10時間20時間とやり続けてしまいそうだ。


日向「分かった。メニュー画面を開いて、ログアウトボタンを押せば良いんだったよな?」

不二咲『そうです! それでこっちに……『現実世界』に戻って来られます!!』

俺は不二咲の指示に従って、空中に表示された半透明のスクリーンからメニュー画面を開き、ログアウトボタンを押す。意識がスッー……。と別の次元に飛ばされるような感覚がして、次の瞬間には俺は酸素カプセルのような装置の中にいた。



〜〜〜超高校級のプログラマーの研究教室〜〜〜



日向「う、うーん……」

不二咲「お疲れ様です、日向先輩! お身体の具合はどうですか? 気持ちが悪いとか、違和感があるとかはありませんか?」

日向「いや、全然大丈夫だ。……改めて体験してみたけど、ホント凄いなこれ。現実世界と殆ど変わらないんじゃないのか?」

俺は前に朝日奈と終里の大喧嘩騒動の時に体験した、基礎を入間が、プログラムを不二咲が、整備を左右田がやったという、希望ヶ峰学園機械工学トリオが作りだした『スーパーVRシステム2』という超最新(と言うか多分世界初)のプログラム世界で、モ○ハンを模したようなゲームを楽しんでいた。

前に苗木と入った時のプログラム世界(あの世界は入間のせいで男性によるハーレム生活が許されているというトンでもない世界だったが)の時よりも更に鮮麗になっていて、リアリティも増していたような気がする。……科学の進歩ってのは本当に凄いんだなぁ。数年前はVRシステムだけでワーワーギャーギャー大騒ぎしてたってのに……。


不二咲「ふふっ。いいえ、コレが一般に普及するにはまだまだ時間が掛かりますよ。あ、それより紅茶でも飲みませんか? クッキーも東条さんが作ってくれたお手製のがあるんです! 三時間もプログラム世界の中にいたんですから、ちょっとは休憩して貰わないと……」

日向「ああ、そうだな。喉も渇いた気がするし、お言葉に甘えるよ」


〜〜〜〜〜〜


ふぅ……。やっぱり上手いなぁ、東条の作ってくれたクッキーは。花村のそれに負けず劣らずの上品で素朴で、それでかつ飽きの来ない味だ。油断すると「もう一枚、あともう一枚」と手が伸びそうになってしまう。

不二咲もまるでハムスターのように両手でクッキーを掴んでサクサクと頬張っていた。……なんというか、うん。


不二咲「……? どうしたんですか? 日向先輩」

日向「ああ、いやその……。失礼かもしれないけど、お前って本当に可愛いなって……」

……一体俺は何を言ってるんだ。他人の恋人候補、しかも男に向かって……。本音ってのは言えば良いってもんじゃないぞ、日向創。

だが俺のその言葉に、不二咲は嬉しそうに「えへへ……」と微笑んでくれた。



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