87:名無しNIPPER[saga]
2023/08/21(月) 21:14:31.27 ID:8i2PVv8go
「…何も見てません」
「その言葉が本当でも嘘でも、もう関係ないかな〜。だって私達の顔を見たでしょ?それにあの特別な杖──」
「もういい」
部屋の奥の方に居た人物が刃のように冷たい声を出す。それを聞くと暮林さんはすぐに黙った。
「少年、ここで消えてもらう。そこの少女にもな」
言葉を聞いて、視界の端々が暗くなる。あの人物は本気だ。死と、椎名を失う事への恐怖で心臓が締め付けられ、呼吸が意図せず早くなる。
ここで…死ぬ?俺も、椎名も?そんなの…そんなこと…!
恐怖が消えたわけではない。だが同時に何故こんな理不尽な目に遭わされるのかという怒りと、椎名を守りたい思いが強くなる。
その思いが強くなるにつれて、視界の端から眩い光が溢れてきた。俺は半ば無意識に例の杖を片手に握りしめていた。
「それは…一つ足りないと思ったら君が…!」
「…なおさら生かしてはおけない」
すると周りに居た不審者達が一斉に杖を取り出して、俺に向かって突きつける。
杖を握りしめる力が強くなっていくにつれて、放たれる光もその輝きを増していく。
↓1 不動の魔力量は?
01〜30 少ない
31〜70 普通
71〜 多い
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