83:名無しNIPPER[saga]
2023/08/18(金) 00:14:01.54 ID:hNgV7XdSo
椎名に聞いたNPOの建物がある場所まで来ると、そこにはこぢんまりとした雑居ビルがあった。彼女の話ではこのビルの一階に事務所があるらしい。扉を開けて中に入ると受付の係が居た。
「すいません、こちらに椎名という女子生徒が来ていませんか?」
「ああ、椎名さんですね。それならこちらに居ますよ」
なんだ、俺の勘違いだったみたいだな。
そんなことを考えながら受付の後をついて廊下を進み、突き当りの部屋に入る。
中に入ると目に飛び込んできたのは、両手足を縛られ猿轡を噛まされた椎名の姿だった。
「っ!?」
思わず彼女のもとに駆け寄ろうとするが、背後にいた受付に腕を掴まれて阻まれた。
よく見るとこの部屋には他にも数人居る。そして彼らは…以前目撃した不審者たちと同じ格好をしている。そしてその中には暮林さんの姿もあった。
口を真一文字に閉じながら暮林さんの方を見ると、彼女はさっき会ったときと同じように笑った。
「は〜い、不動くん」
俺は騙されたのか?大体、どういう状況なんだよ、これ!?
「暮…林さん。どういうことですか……あなたも人身売買組織の一味ってことですか?そもそも何で椎名を…!」
頭の中で駆け巡る思考とは違って、言葉は思うように出てこない。
「フフフ、両方ともハズレ!まずアタシらが扱ってんのは人じゃなくて魔法生物。ま、それ以外も取り扱うけど」
ま、魔法生物?なんだそれ?
「そして次に、アタシらの狙いは君、不動くんだよ。そこの女の子は君をおびき寄せるためのエサ」
お、俺?じゃ、椎名は俺のせいで巻き込まれたってことか?
「何で俺を…」
「そりゃ、アタシらの取引を見られたからに決まってんじゃん?にしても君も運が悪いね。あの日はちょっと特別な取引だったんだ〜。だから記憶を奪うだけじゃなくて、ちゃんと息の根を止めないとね」
↓1 不審者達は何を取引していた?
申し訳ありませんが、今日はこれだけです。今後も間が空いたりすることが多々あると思いますが、よろしくお願いします。
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