63:名無しNIPPER[saga]
2023/08/13(日) 01:03:30.37 ID:wu/bYX/Bo
不動が警察署からでてわずか数分後。
婦警とその相棒は書類の整理を行っていた。
「はぁ〜、私も彼氏とかほしいですよ」
「はっ、お前の彼氏なんてよっぽど胆力がないと駄目だろうな?」
「それ、どういう意味ですか?」
ジト目で睨みつけてくる相棒の視線をかわしながら、警察官はふと入口の方に目をやった。
「ん…?」
見慣れない人物が四、五人、入口の辺りにいる。……いや、見慣れないどころじゃ無い、明らかな不審人物だ。フードを深く被り、顔を隠している。
「おい、あれ…」
警察官は彼らに向かって指を差す。相棒はその方向に目線をやるが、鳩が豆鉄砲を喰らったような顔をしている。
「どうしたんですか?」
「お前、アイツらが見えてないのか…?」
「…?」
様子がおかしい。相棒だけじゃない、周りの同僚もまるで彼らが見えていないかのようだ。
その時、奴らの中の一人と目が合った。途端に、心臓が鷲掴みされたような痛みが胸を襲う。
「っ…!?」
奴が音もなくこちらに近づき、懐から杖を取り出す。そして杖を振り上げたその瞬間──
「待て、殺す必要はない」
「じゃ、どうする?」
「…記憶を"隠して"おけば十分だろう」
「わかったよ」
そして杖が振り下ろされた瞬間、警察官は意識を失った。
「結局、ここには居ないみたいだ」
「…魔法で居場所を探れば?」
「リスクが高い。…が、それもやむ無しか。はてさてどうしたものか…」
「いずれにせよ、どんな手段であれ目撃者は居ないようにしておかないとな」
「とりあえず、ここを出るとしよう」
今日はここまで。
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