25:名無しNIPPER[saga]
2023/08/11(金) 23:51:32.72 ID:EnfCaTzlo
手と足をゆっくりと壁の窪みにかける。
「まずは…よし」
姿勢が安定したら、次に手や足をかけられそうな場所を探し移動していく。暗い上に滑りやすいから無謀かもと思ったが、さっき見つけた手袋のお陰でかなり滑りにくくなっている。
この調子なら問題なく上まで行けそうだと思っていた。だが、壁の中腹に達したあたりから腕と足に明らかに疲労が蓄積し始めた。
「っ…!」
四肢が微かに震え始めてきた。早く登らないと、そう思った俺はペースを上げて上を目指す。
「よ、よし…」
もうあと一息、そう思って手を伸ばす。疲労のせいだったのか、それとも油断したからなのかは分からない。ただ足が滑ったあと、下まで落ちるのは一瞬だった。
「──ぐっ!!」
背中から地面に落下し、肺から空気が抜ける音が聞こえる。
痛みに顔を歪めながら数分間、その場でうずくまった。
「……はぁ、はぁ」
次第に痛みが引いてきた。幸い骨折やヒビはなさそうだ。落下の衝撃で顔についた排泄物を拭うと、再び出口を見上げる。
今のは何とか無事で済んだが、次落ちたときは危ういかもしれない。となると、大人しく人を呼んでみるべきだろうか?だが、そちらの選択肢にもリスクはある…。
…そもそも何で俺がこんな目に遭わないといけないんだ?ほんの少しの出来心でこんな目に…。
「…はぁ」
↓1
1 もう一度チャレンジする(判定難化)
2 助けを呼んでみる
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