101:名無しNIPPER[saga]
2023/09/01(金) 19:37:23.39 ID:YWmeO82zo
>>99
見てくれる人がいる限りは続けていきたいと思います。
更新頻度も、一回の量は短くてもなんとか増やしていければなとは思ってます。
「シェイプシフターとの絆を強めると言ってましたが、それには何か特別な方法が必要なんですか?」
「…正直、分からないな。今の状態のシェイプシフターに意識があるのかどうかも定かではない。唯一言えることとしたら、月並みなことではあるが丁寧に使ってやることくらいか」
神父の言葉を聞くと不動は黙って頷いた。
「叔父さん、この杖は形を変えられるって言ってたけど、何か他に特別こととかはないの?」
「特性といえば、先程挙げたものくらいだな。あとは、その特性を活かして他の杖とは違う使い方ができるかもしれん。例えば相手の魔法をリスクなく防ぐ、とかな」
その言い方に不動は少し引っかかった。一方で椎名は神父が何を言わんとしているか分かったようだ。
「どういうことですか?」
「そうだな、君には1から説明しよう。通常、放たれた魔法を防ぐには2つの手段が存する。1つは魔力の障壁で防ぐことだ。この場合、基本的にはどの魔法にも幅広く対応できるが、自分の魔力よりも放たれた魔力のほうが高い場合は防ぐことはできない。また、魔力を消費するため同様に体力も消耗する」
「それじゃあ、もう一つは何ですか?」
「2つ目はよりシンプルだ、盾などの道具で物理的に防ぐ。こちらは体力や魔力の消費は無いが、魔法の性質そのものは防げない。例えば炎の魔法を放たれれば、自分の身は守れるが、盾そのものは熱されてしまい、そのうちガタがくる」
「なるほど。じゃあ、俺の杖でならリスクなく魔法を防げるというのは?」
「その杖はさっきも言ったが、形の変化と魔力の吸収という特徴を持っている。であれば盾の形状にし魔法を受ければ、魔力が吸収されるため魔法は無力化され、盾で自分の身も安全に守れるだろう」
「本当ですか!?それって…かなり強くないですか…?」
「ああ。過去の魔法使いには盾に自らの魔力を纏わせ、同様の事例を再現しようとした例もある」
神父はそこで言葉を止めると、しばし思案した。
「もっともあくまで推論に過ぎないがな。懸念点はいくつもある。生体細胞を使用していることによるイレギュラー、実際に運用するにあたってどこまでの魔法なら耐えられるのか、吸収された魔力は君にいかなる影響を与えるのか……」
「…流石にいい事づくしってわけじゃないんだね」
「まあ、魔法の素人が持つ分には十分だとは思うがな」
不動は今の話を反芻しながら周囲を見渡していたが、やがて口を真一文字に結んだ椎名の顔が目に入った。声をかけようとしたとき、彼女が口火を切った。
「叔父さん…私達、どうしたら良いかな…」
椎名は不安そうな顔をしながら、神父に問いかける。
「ふむ…」
「だって、あの魔法使いたちに私達の顔は見られちゃったし…。NPOに入るときに住所とかも教えちゃった…」
「そうだな──」
↓1 神父は二人になんと答えた?
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