『超高校級の』日向「安価とコンマで依頼を解決する」『相談窓口』
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320: ◆DWp3lSnh.v3L[saga]
2023/08/13(日) 20:43:26.19 ID:MTsQaV7v0
セレス「命令したのはただ一つ、江ノ島さんが持ってきたチョコを一緒に食べる事ですわ。後から聞いたのですが、チョコの中身はお酒入りで……所謂「ウイスキーボンボン」なんですが、そこに江ノ島さんが何か細工をしていたようですわね」

確定だ。ほぼ間違い無い、苗木の言動がおかしくなっていた(仮定)原因は江ノ島が用意したというチョコだ。だが、確かめなければいけない事がまだまだある。

日向「……お前は食べなかったのか?」

セレス「まさか。あの江ノ島さんが何の見返りもなく渡してきたチョコですのよ? 何が入ってるか分った物ではありません。流石に毒薬ではないだろうと踏んでいましたが……まさか媚薬や混乱薬の類いだとは思いませんでしたわ」

……何の悪びれもなくそういうセレス。正直その場で説教の一つでもしてやりたい気分だったが、今はそれよりも重要な事がある。──その言葉、斬らせてもらう!!

日向「……五人に命じたっていう命令は本当に一つだけか?」

セレス「……ええ。間違いなく」

日向「そうか……。でも「あとから聞いたのですが」って言うのは嘘だろう?」

セレス「……何の根拠があってのことか、聞きましょうか」

根拠ならある。苗木が「何故か」舞園、および朝日奈と「二人っきりになった時にチョコレートを食べていた」という事だ。

日向「「このチョコを食べろ」って命令なら戸惑う必要は無い。どうせ食べなくちゃ行けないんだから唐辛子入りだろうがわさび入りだろうがその場で喰えば良い。むしろその場で喰わせた方がお前にとって利がある。だって持ち帰ったあと捨てられて「ちゃんと食べた」って嘘を付かれたらそこまでなんだから」

セレス「…………」

日向「お前はチョコを喰わなかったんだろう? 五人で口裏を合せられてチョコの味や食感まで統一の感想を述べられたら嘘かホントか確かめる術が無い。江ノ島に聞いてもボカされるだけだろうしな。お前のような聡い奴がその点に気づかない訳が無いんだ」

なのにセレスは持ち帰って食べることを許可した。その理由は恐らく……

日向「お前、本当はチョコの中に何が入っているか知ってたんじゃないか? 苗木だけに効果のある薬が入っているってな」

セレス「その推測は甘いんじゃありませんこと? 私がそれを事前に知っていたとして、五人がその場で食べてしまえばなんの意味も……」

いや、ある。特定の条件ではあるが、五人……正確には四人に「チョコを持ち帰って食べる」という選択肢を取らせるだけの方法が。

日向「苗木以外の四人に「チョコの正体を秘密裏にバラしていた」……「貴方だけには教えておきますが」って前置き付きでな」

セレス「……!!」

日向「その上で、四人全員が苗木に恋慕に誓い情を抱いていた……これなら筋は通る。チョコを持ち帰って苗木と二人っきりになったタイミングでチョコを食えば完璧だ。間違い無く苗木は我を失って自分に告白もどきをしてくれるんだから」

苗木に記憶が無かったのはチョコの効果があくまで一時的な物だったから。そして四人が「自分達は苗木と付きあっている」という勘違いをし続けているのは「チョコの効果が永続的だと勘違いしているから」だ。……だけど、それでも一つ疑問が残る。が、それはセレスに聞いても意味がない。この依頼をしてきた当事者に聞かなければ。

セレス「…………ふぅ。流石は超高校級の相談窓口。霧切さんや最原くんに次ぐ推理力の持ち主。という噂を舐めていましたわね」

セレスは脱力するように肩の力を抜いた。

セレス「ええ。それであっていますわよ。面白い見世物になるやもと考えてみたのですが……どうやら中途半端な結果に終わってしまったようで」

日向「「チョコの効果が一時的な物」っていうのも江ノ島から聞かされてたな?」

セレス「ええ。四人同時に詰められて慌てふためく可愛い苗木くんが見れるかもと思ったのですが……」

本当に悪びれもなくそう言ってのけるセレスに呆れるやら怒りを覚えるやらで溜息を付くことしか出来ない。77期生と言い78期生といい79期生といい……いやそれ以外のOBOG含め、希望ヶ峰学園の関係者にはなんで頭のネジがぶっ飛んでるような奴が必ずいるんだ……!!

日向「俺はもう行くぞ。最後に確かめなくちゃ行けないことが出来たからな」

セレス「あら? 糾弾の一つでもされると思っていたのですが……そうしませんの?」

日向「してやりたいのは山々だが、それは後回しだ」


確認しなければならない。この「依頼」を俺にしてきた超高校級の探偵に。本当の意味で彼女が俺に託してきた「依頼」を解決するために。


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