『超高校級の』日向「安価とコンマで依頼を解決する」『相談窓口』
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◆DWp3lSnh.v3L
[saga]
2023/08/11(金) 20:20:06.96 ID:dmR1mwIz0
「……あーそう言えばさ」
「? 小泉おねぇ?」
「……私、ちょっと今日は他にも用事があるから早めに帰らないといけない事を思い出しちゃって。タクシー呼んで先に帰るから、二人はあとからゆっくり帰ってくれば良いんじゃないかな?」
「は? そうだったのか? だったら言ってくりゃあ日程も少しズラしたのに……」
「ううん! ほんと大した用事じゃないから気にしないで!! それじゃあひよ子ちゃん」
──頑張ってね?
彼女の耳元で囁くようにそう言って、小泉は駆け足でタクシー乗り場へと去って行った。
「……」
「……」
二人の間に僅かな沈黙が流れていた。傍から見ても何となく、気まずい雰囲気である事は理解出来る。左右田に取っちゃあ最初は小泉とデートするつもりで西園寺はあとから引っ付いてきたから何を言えば良いか……いや、あの話しをどう切り出すかで迷っているんだろう。
「あー……西園寺?」
「……な、なに?」
「お前が気に入るかどうかは分んねぇけど……これ、やるよ」
そう言って左右田が鞄から取り出したのは小さなプレゼント箱だった。「開けてもいい?」と西園寺が了承を取ってリボンを解き、箱の中から中身を取り出す。
「これって……!」
イン・ビンドロ・ローズ。左右田がこれなら小泉も西園寺も喜ぶだろうと前もって二個分用意していた物だ。
「えっと…本当にもらってもいいの?……えへへ、ありがと! 大切にするね!!」
普段左右田に向けるそれとは考えられない程の眩しい笑顔を向ける西園寺。その笑顔は左右田の……男の心臓を高鳴らせるのには十分過ぎた。
「……ねぇ、左右田お兄。ちょっとの間だけで良いから、私の話、聞いててくれる?」
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