【悲報】夢魔の集落に男一人で流れ着いてしまった【たすけて】【安価スレ】
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2:名無しNIPPER[saga]
2023/07/03(月) 14:29:31.61 ID:jO1AKp7NO
灰色の雲が空を覆う。曇天には稲光が走り、天候が大荒れになるのも秒読みの段階に入っていた。

『そろそろ大雨ですな。目的地も近いし、どこかで休息でも取りますかい?』

『それには及ばぬ。我々の身を案じてくれるのは歓喜の極みだが、貴様の想定しているほど軟弱ではないつもりだ。部下も含めてな』

外套を羽織り森林内を疾駆する影が六つ。その中で一際存在感を放つのは、先鋒を務める二人組だ。

一人は無骨な鎧に身を包みながらも、驚異的な機動力を発揮してみせている。
軽い表情で足を進める最前列の青年とは違い鋭い眼光を放ったままの近寄り難い空気を纏っていたが、消耗はしていない。流石は騎士団長と言ったところか。

そりゃ結構とだけ返し、青年は速度を緩める。
見渡す限りの森林は数を大きく減らし、眼前には長大な吊り橋が伸びている。
ロープは劣化し桁も所々割れたり抜け落ちているが、ロープに施された保護の術式は未だ健在なので強い衝撃を与えなければ問題なく利用できるだろう。

橋下に視線を移す。下界にも同様に森林が広がっているが、直下には細い清流が流れていた。
上流の方で雨が降ったのか勢いが強まっており、川に流されたら常人はいとも容易く死ぬだろう。

試しに青年が一往復する。その間はギシギシと大きく揺れ、保ってくれるか不安になったが、見事耐え切ってくれた。
最悪、往路の間だけでも持ち堪えてくれれば後はどうとでもなる。
後のことは後で考えれば良いのだと投げやりな提案をし、半ば無理矢理それを飲ませた。

そして、吊り橋を全員で渡っている最中。

『………っ』

『…許せ、ゼノ』

雨が降るのと時を同じくして、随伴していた仲間に後ろから剣で貫かれた。


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