69:名無しNIPPER
2023/06/12(月) 22:27:48.09 ID:49rnlsyO0
今日はここまでです。
70:名無しNIPPER
2023/06/26(月) 23:11:14.52 ID:fBL0rP/L0
女「――おっ、目ぇ覚めた?」ガチャ
王子『』ビクゥ
女「あははっ。そんな驚かんでええやん。まあ言葉も通じへんし、知らん土地で知らん奴相手やと敏感にもなるわなぁ」
王子『……平べったい顔の、人間?』
女「ちょっと失礼」ジー
71:名無しNIPPER
2023/06/26(月) 23:11:40.92 ID:fBL0rP/L0
女「やっぱり見れば見るほどそっくりやなあ」シミジミ
王子『?』
男「失礼します」ガチャ
王子(……また平べったい顔の人間がひとり)
女「あっ、お父さん」
72:名無しNIPPER
2023/06/26(月) 23:14:58.15 ID:fBL0rP/L0
女「ごめんなあ。あっ、少女ちゃんは?」
男「遅くなりそうなので帰らせましたよ。ここからだと電車で1時間ぐらいかかりますしね」
女「そっかあ。車で送ってあげたら良かったなあ」
男「言ったんですけどね。定期があるので大丈夫です、って断られましたよ」
女「律儀やねえ。ってかな、お父さん。この子、あんまりにも魔王ちゃんに似てない?」
73:名無しNIPPER
2023/06/26(月) 23:15:25.50 ID:fBL0rP/L0
女「びっくりしたわ、ほんま。しかも少女ちゃんに話を聞いたら、あたしが魔王ちゃんと出会った場所とほぼ一緒やし」
男「川で流れててびしょ濡れになって、僕の診療所までやってきたことも同じですしね」フフッ
女「偶然って重なるもんなんやねえ」
男「珍しすぎる気がしますが……」
王子『……あ、あの!』
74:名無しNIPPER
2023/06/26(月) 23:15:56.43 ID:fBL0rP/L0
男『こんにちは。おカラダはダイジョウブですか?』
王子『言葉が分かるんですか!?』ガシッ
75:名無しNIPPER
2023/06/26(月) 23:16:24.22 ID:fBL0rP/L0
男『いっ、イタいです。おちついて』
王子『あっ……す、すみません』ジワッ
男『どうしました? やっぱりどこかイタミますか?』
王子『い、いや。なんていうか、その……痛いところはないんですけど、なんかホッとして』
男『……フフッ。シラナイ土地でシッテル言葉をキくとアンシンしますよね』
76:名無しNIPPER
2023/06/26(月) 23:16:50.43 ID:fBL0rP/L0
男『魔王サンと勇者クンにこの国の言葉を教えたのは僕だからね』ニコッ
王子『……日本の、母さんと父さんの友人の男性』
男『そうですね。ちなみに、そこにいる僕の奥サンも2人のユウジンですよ』ニッ
女「ブイ」ニッ
77:名無しNIPPER
2023/06/26(月) 23:17:18.53 ID:fBL0rP/L0
王子『あなたが、あの魔王と人間の王の一幕に出てくる――傷ついた人を助け、生かすことに尽力する男!』
男「ええ……?」
王子『そしてあなたが、相手に優しくすることに理由はいらない。そう教えてくれた女!』
女「なんよそれ……?」
王子『そういうことですね!?』
78:名無しNIPPER
2023/06/26(月) 23:17:47.23 ID:fBL0rP/L0
王子『……えっ、あっ、そうか。2人は、魔王と人間の王の一幕を知らないのか』
男『ええ。そちらのセカイに言ッタことがありませんから』
王子『……すいません。あの伝説の2人に会えると思ってなくて。舞い上がっちゃいました』
女「伝説って」
男『……言イ過ギですね』
79:名無しNIPPER
2023/06/26(月) 23:18:13.82 ID:fBL0rP/L0
王子『……あっ』
女「大きい腹の虫さんやね」クスクス
男『ゲンキな証拠だ。キミさえ良ければ、ウチでゴ飯を食べますか?』
王子『……い、いいんですか』
男『もちろん。それに……』
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